1940年に設立されたドイツのシュメット社は、ハンブルクやミュンヘンに支社を展開する、ブックバインディング(製本)の会社です。 ブックバインディングは、日本ではあまり馴染みの無いものですが、ヨーロッパでは昔から広く知られています。当時は、本の中身だけ購入し、自分で好みの革表紙をつけることが主流でした。ホビークラフトとしてはとても一般的なものです。
戦時中には、壊滅的な打撃をこうむったものの、創業者であるハンス・ハインリッヒ・シュメット氏の下で会社は急成長し、次々に大型の製本機械を発明しました。企業向けの大型製本機械から個人向けの小型製本機にいたるまで、幅広く取り扱っており、製本家の間ではとても有名です。例えば手動革漉き機Schärf-Fixは手軽な製本機器のひとつとして、製本愛好家達に愛されてきました。 現在では、息子のハンス・ヒナーク氏が跡を継ぎ、近代的な設備を備えた企業に発展しています。ハンブルグのほんの少し郊外にある、自然豊かな場所に新工場があります。
左の写真は、毎年多くのバイヤーが世界中から訪れる、ドイツの商業展示会での一コマです。大型の製本機がずらりと並んでいます。脈々と続く製本の歴史、精神をしっかりと引き受けつつ、さらなる改良の努力も行っています。ドイツの最新テクノロジーを存分に生かし、新しい機器を製造し続けています。
あちこちのインターネットサイトで販売されている左写真の漉き機は、一見当店の製品に見えますが、当店のブラック仕様のSchärffixではありません。中国某社のコピー商品になります。写真では非常に似通って見えますが、実際に手に取ってみると、使用部品、精度が非常に荒く、設計自体の違いも歴然です。本来は、特殊な部品加工と調整部品が必須ですが、それらの構造部品は一切備えていません。
アフターメンテナンスはもちろん、消耗部品の供給もできませんので、ご注意ください。
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